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【読書】看取りの経験を思い出す『大切な人を看取る作法』

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大切な人を看取る作法
『大切な人を看取る作法』大和書房

今日紹介する本は『大切な人を看取る作法』大津秀一著/大和書房です。

図書情報はこちら。

単行本(ソフトカバー): 248ページ
出版社: 大和書房 (2014/10/22)
ISBN-10: 4479794549 ISBN-13: 978-4479794547
発売日: 2014/10/22

著者は緩和ケアセンターで多数の患者に関わる医師。
本の内容は著者の関わってきた事例をあげながら、平易でわかりやすく患者とその家族に寄り添う視点で書かれています。

私は母の看取りを経験していますが、その前に読んでおけばためになったと感じる本です。

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看取りの経験から

もう10年以上前の話。
私の母はがんを患い亡くなりました。
最後の一年間は自宅で寝たきりの生活を過ごしていました。
母は長い間がんと闘っていました。


最初は乳がんでした。
確か私が小学生の頃。
母は10年ほど闘病していたことになります。
最後は内臓や骨に転移し、寝たきりとなってしまいました。

足の自由がきかなくなって入院した時、母は「お家に帰りたい」と希望しました。
大学で福祉を学んだ私は、母の希望を実現してあげたいと考え、自宅へ帰る方法を考えました。

それから亡くなるまでの一年間、父と私の男世帯で母の介護をおこないました。
一年間必死で介護をして看取りました。あっという間でした。

そのときこの本を読んでいたら、もう少し心にゆとりを持って看取りをすることができたかなと思っています。

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終末期の「入院」が最善とは限らない

第1章では、終末期に入院するという考え方を変えようという試みがなされます。
死期が近づいている方とそうでない方の治療は異なるというのです。

死期が近い方は「何をするか」ではなく「何をしないか」が重要

もちろん、苦しんでいる方には「痛みを緩和する」という治療が必要でしょう。
実際に苦しんでいる家族を見ることはつらいことです。

ただ何でもかんでも治療するということが命を伸ばすことにはならないという感覚は理解できました。

母もあのとき入院を続けていたら、1年も持っていなかったと強く思います。
毎日家族の顔を見て、わがままを言えて、笑って泣いてしているうちに自然と亡くなった。

これが病院であったら、話す人もいないナースコールをしてまたないといけない。

そのストレスは想像に難くありません。

「安易に終末期の方に病院への入院を勧めるほうが、生命を短縮させる可能性があるという点ではよほど罪作りと捉えなくてはいけないかもしれないのです。」

本書P21

自宅で介護をするということはなかなか困難なことです。
しかし、家族が少しでも長生きできるかもしれないという希望があるのが、自宅介護と看取りなんだなと私は思います。大変ですけど・・・

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「死亡診断時間」以降も一部の細胞は生きている

これはコペルニクス的転回な発想。
確かによく考えてみたら、死亡診断時間以降も体の一部”細胞”はまだ生きていると考えることはできる。

身体に血液は残っているし、その人の姿かたちはそのまま残っている。

母が亡くなるとき、母方の祖父母は母の死に目に間に合いませんでした。

祖母が号泣して母の亡骸に縋りついた姿が目に焼き付いています。
「あぁ間に合わなかった」とあの時は悔しい気持ちがありました。

でもそのとき母の「体」はまだ生きていたと考えると、なんだか救われた気がします。

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患者の心理と看取る側の心理

「臨死者も見守る者にもどんな気持ちが起きても当然」と捉えるべきです。

本書P194

看取られる側は、自分の置かれている状況がもどかしく、悔しくその思いを家族にぶつけてきます。
看取る家族も、「なんでこんなに一生懸命やっているのにわかってくれないんだろう」とつらい気持ちになります。

実際は私は母を介護している間16kgも体重が落ちました

在宅介護当初は、患者側も看取る側も心に余裕があるものです。
しかし時がたつにつれ、お互いの思いのずれは深くなっていくと思います。
ただ亡くなった後に「もっと話を聞いてあげれば良かった」と後悔の気持ちが湧いてきました。

ぶつかりあう時はつらいのですが、「どんな気持ちが起きても当然」と頭の中で復唱して、その場をやり過ごすことが一番ですね。

なので、介護する側される側。双方がぶつかるのは至極「当たり前のこと」
家族にわがままも言えず気を使って死を迎えることほど悲しい最後はありません。

つらいところですが、割り切って向かい合うしかありません。

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この本をおすすめする人

今看取りで悩んでいる人、これからそうなるかもしれないと心配な人はぜひ『大切な人を看取る作法』を読んでみてください。

終末期の医療はどうした方がいいのか、患者が苦しむ場合にどう対応したらよいのか、介護する側される側の心理はどんなものか、「死」を迎えることについてどう臨むのか。

在宅介護で悩む方の一助になる本だと思います。

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